そうだ、献血に行こう!

献血の言葉の意味を今一度

「献血」つまり自分の血を提供することになりますが、かつては輸血は買われた血液でした。献血という言葉ですが、無償で血液を提供することです。この献血という言葉を提唱したのは、クリスチャンでもある日本赤十字中央血液センター所長の大林静夫博士によって「献血」という言葉が提唱されることになりました。

血液センターとうのは、日本赤十字社の施設になっていて輸血用血液のすべてが血液センターで手がけれています。そして売血から転換して善意の元で供給されるのが献血です。善意の元で行われるのが献血ですが、善意という趣旨が忘れられているような気もしてきます。

検査目的が増えている献血

ライシャワー大使が大怪我をしたために、輸血したことが原因で肝炎となり黄色い血液に対してこのままではいけないという機運が高まり売血事情に注目があつまりました。その結果、売血ではなく献血という善意によって血液を供給してもらうという方向へ、日本社会は変わりました。医療が進んだとはいえ、血液に代わるものや血液を人工的に生み出すことができないため、安定した血液を一定数確保することはとても大事なことです。

ところが献血する人減少しているという点で、なんとか献血をしてもらおうと血液センターでは色々な工夫を凝らしています。これから日本は超高齢化社会を目前と控えていていながら、出生率は低下して子供の数が減るという社会になっています。超高齢化を目前に控えて、輸血を必要とする年代は増えていきながらも血液を供給することができる人たちの減少というのは大きな問題点です。

それに加えて、問題になっているのがHIVウィルスに感染したかどうかをするための目的で、献血へ行く人がいる傾向があることが問題点としてあがっています。輸血するときにウィルス感染していないかどうかを調べるために、かなり細かく血液の検査をして輸血して大丈夫かどうかを検査します。もしかしたらエイズに罹っているかもしれないという気持ちを抱いているときに、「献血に行けばエイズかどうかがわかるかもしれない。輸血する前に必ず検査するから、だったら検査に行くより献血に行こう」という考えで行く人が実際にいるからです。

厳しい検査を潜り抜けて、輸血された血液が実はエイズウィルスに感染していた血液だったため、輸血された方がHIVウィルスに感染してしまったことを受けて、人の善意の元で成り立っている献血という仕組みが根幹から揺らいでしまったといっても良いほど大きな衝撃となりました。

献血した男性に対して、その後聞き取り調査が行われましたが、男性は献血をする2週間ほど前に自分自身がHIVウィルスに感染するかもしれないというリスクがある性的接触があったことを認めました。献血をする2週間前にそのような接触があったのにも関わらず、献血をする前にある問診では2週間前の接触に関しては、虚偽の回答をしているので当然ながらこの男性が行った献血はHIVに感染したかどうかを確認するための献血だったと思われても仕方のないことです。

HIV感染が増えている

献血する件数が毎年減少傾向になっていますが、減少傾向にある献血件数の中からHIVウィルスに感染しているHIV陽性者の数は増えてきています。なかでも献血された血液の中からHIVウィルスに感染していることが増加しているのが、献血をする側のモラル低下を感じます。

さらに日本赤十字社の調べによると、2007年(平成19年)には献血された血液の中から見つかったHIV陽性の血液は、初めて100件を超えた102件でした。この数字は10万件あたりのHIV陽性の数が2ケタ台になることになります。先進国の中で唯一新規のHIV感染者が増加している日本です。HIVウィルスに感染している日本人が増えたことから、献血目的がHIVに感染しているかどうかを調べる目的で献血に行っている人たちの増加していることは間違いありません。

そして2007年(平成19年)にHIV陽性と判明した102件のうちの6件が、感染したばかりの初期の段階でのHIVウィルスだったということも懸念されます。それが意味していることは、献血されて行われる抗体の検査ではHIVは陰性で、感度と特異性が高いNAT(核酸増幅)検査でHIVウィルスが確認することが出来たケースが6件もありました。NAT検査はとても高感度の検査ではありますが、その検査をくぐ抜けて輸血され結果、HIVに感染した患者さんも出ただけに、HIVの検査目的で献血する人が確実に増えているといえるでしょう。

保健所でのHIV検査は匿名でそして無料で検査ができるので、献血ではなく保健所といった公的検査所で検査するべきことで献血を利用するのは間違っています。HIVウィルスに感染した血液を治療に使われた患者さんに、さらなる苦しみを与えることになります。ちなみシンガポールでは、意図的にHIV検査をした人に対しては罰則となります。日本では罰則がないことをいいことに、HIV検査をするのに献血を利用している人がいることも事実です。

年々献血した血液から、検出されるHIVウィルスに感染した血液が増えてきているので、献血する側のモラルを啓蒙することの必要も含めて、またこれから超高齢化になり輸血を待つ人たちが増えそして輸血する若者が減っているという社会となっているので、献血に関する啓蒙活動がさらに必要になっています。